2010/02/10

犬の力

『犬の力』上下 角川文庫 ドン・ウィンズロウ

物語は虐殺から始まる。
疑念、疑惑、確信、報復
報復と裏切りと報復と裏切りと報復と・・。
正義という言葉が存在しない国で、
破滅へと突き進む登場人物たち。
群像劇。
しかし、一人残らず、死の予感に包まれている。
誰も正義ではなく、悪。悪を食らう悪。
小さな悪は、より大きな悪に食らいつくされる。
悪が突き動かされるのは、ただ犬の力によって。

読み終わって、茫然とした。
面白いのに、ページをめくるのが辛い。
愛着を感じていた悪人たちが、
次のページでは頭を吹っ飛ばされていたりする。
ラスト。スローモーションで映像が流れる。
想像力がぐらついた。
傑作。

「駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚」
タクティクスオウガの章題。
この言葉が頭を反芻し、犬の力は復活する。

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